2023.3.30
2023年4月1日に女性管理職候補の育成を全社で包括的にバックアップしていくイニシアティブ「Festina Lente(フェスティナ・レンテ)」をリリースします。人的資本経営が叫ばれる今こそ、限られた人材プールから女性管理職を採集的に選ぶのではなく、候補者になる前段階である一般社員の時から計画的に能力開発し、育成していく。また、そのための全社的なサポート体制を「ゆっくり急いで」作っていくことを目指す取り組みです。(プレスリリース)
■開発の背景(考え方)
人的資本への投資は、遅延浸透する。このことは広く知られています。一方で人的資本経営への意識が高まる今、女性管理職の登用は明確なKPI設定の対象となり、加速の一途にあります。そんな中、多くの企業様において社内のポジションピラミッドの不自然さを懸念するお声を耳にします。その不自然さとは、一般社員層、管理職候補者層、部課長層、そして役員層における男女比率がいびつになっていることです。
そして女性管理職登用に対する社会からの要請が高まった結果、限られたマネージャー・キャンディデイト(管理職候補である係長主任クラス、以下マネキャン)の中から管理職を選任せざるを得ない状況が生まれています。そしてその弊害は、管理職に引き上げられた本人への負荷、またチームの混乱といった形で顕在化します。また、既任女性管理職の姿を部分的に見て、「私にはできない」と管理職になる選択肢自体を諦めてしまう声も耳にします。
私たちは、先に指摘した「人的パイプラインを健全化する」ことこそが、女性管理職の登用だけではなく、活躍のために必須だと考えています。マネキャンになってから、あるいは管理職に任命後に研修などで本人の支援を行うのでは、時すでに遅し。彼女たちがマネキャンになる前段階、つまり一般社員時から「管理職という選択肢も一つのキャリアオプション」としてビジョンを描けるように準備できる。またそのキャリアオプションを選ばないという選択肢も社員側にある。このようなバックアップ体制があることで、管理職を目指してみようというマネキャンを増やし、パイプラインが機能するようになる。これこそが今、求められている取り組みではないでしょうか。私たちは、この考えをもとにした取り組み全体を「Festina Lente」と呼び、3つの対象層に向けた研修プログラムをご提案致します。
■Festina Lente全体像
本イニシアティブが対象としている層は、マネキャンの前段階である「一般社員層」、マネキャンを支援する「既任管理職層」、人的ピラミッド公正化の方針を指し示す「役員層」の3つの層です。各層に対するプログラムとコンセプトは以下の通りです。
- 一般社員向け【SHINE】:選択できる自分になる。前提や思い込みによって自らの選択肢を狭めず、ライフイベントを経た後でも求めるキャリアを選択できる自分になる
- 既任管理職向け【CULTIVATE】:正しく水やりをする。一般社員層に向けた機会の提供と支援の仕方を学び、彼女たちの職務遂行能力を早期に育む
- 役員層向け【EQUALITY TO EQUITY】:健全な偏りをつくる。女性管理職登用の推進を経営課題として捉え、取り組みを加速させるための意思決定を行う
本イニシアティブにおいては、上記考え方をベースにしています。実際の提供においては、個社の事情や必要なサポートを勘案し、カスタマイズでデザイン提供致します。
■開発者のコメント
開発にあたった、当社Directorの渡邉は下記の通りプログラムに対して強い念いを込めています。
「女性活躍支援の本質は、人的パイプラインの健全化にあります。私自身の経験を鑑みても、この観点は必須だと感じています。またPoCプロセスにおいては、志を同じくするクライアント企業のDE&I担当者や人事・人材開発部門の担当者や部長職層との意見交換を繰り返しました。完成したモデルプログラムをご覧頂いた際には、『私たちがやりたかったことはこれだよ!』とのお言葉を頂くことも少なくありませんでした。このことからも、今多くの企業で求められている全社包括的な取り組みであると考えます。
個人的な話で言えば、初めて当社で管理職への昇格を打診された際、「自分には相応しくない」と何度か断った経験を持っています。管理職を拝命した後は、上司をはじめとする周囲の徹底的な関わりにより、安心してストレッチし続けることができ、当社において管理職に求められる能力が徐々に開発されたと感じています。現在はDirectorの職にありますが、働きやすさと働きがいを感じながら社会に価値を提供できる喜びを強く感じています。このイニシアティブが、働く女性の能力開発に寄与し、企業の事業成長、ひいてはSDGs 8 『働きがいも経済成長も』を感じられる社会の実現につながることを願っています。」
(開発者のコラムはこちらから読むことができます。)
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