2021.1.28
私たちは、働く価値のある組織の構築をミッションとし、組織・人材開発を主業務としています。
だからこそ“Work is Learning. Learning is Work.”を掲げ、紺屋の白袴とならないよう、自らの能力開発にも継続して取り組むことが重要だと考えています。
本日は弊社の人材育成・能力開発の取り組み「Book Review Review」をご紹介します。新人教育やリモート環境下のオンボーディングにもご活用いただける観点があるかもしれません。
■そもそもBook Reviewとは:
Impact Libraryにある経営学、戦略論、組織・人材開発に関わる蔵書約1000冊の中から、各社員が自律的に書籍を選択して、全社員が閲覧できるBook Review(以下BR)をFormsで登録します。
BRは単なるサマリーではありません。
本に書かれている内容が自社戦略にどう結びついているか、またそれを踏まえて自分自身が行動をどのように変えていくのかを述べることで、他社員と概念を共有するために行っています。
ちなみに、このBR登録数は評価制度と連動しており、より多くの登録をしている社員は、周囲に好影響を与えていると解釈されるようになっています。
■ではBR Reviewとは:
BRReview(以下BRR)では、数多くのBRの中からテーマを厳選し、対話のプロセスを加えることで理解を深めます。ある部署では1週間に約2冊のペースでBRRを行っており、参加メンバーは成長実感を得ているようです。
第1回目の発表をリードしたWoodyが、以下の運営上のポイントを教えてくれました。
・BRRの発表者は、「この本から学んだこと」を共有する
・人に伝えるために、自分の言葉に落とし込んでいく時間が重要
・その過程で、本の内容を自然と自業務に紐づけて理解する
・だからこそ他社員への共有時に、共感や議論が発展するきっかけになる
・チェックアウトには、ひとりひとりがコメントをする。そこにも気づきと学びがある
具体的な例として挙げてくれたのは、「心理的安全性」という言葉です。
研修参加者からも発せられることが増えている「何となく理解した気になる」抽象度の高いバズワード。「自分達もなんとなく使っていないか?」あるメンバーから正直な問題提起がなされました。
「心理的安全性とは今の自分達に置き換えるとどういうことなのか?」
「それは単なるぬるま湯と何が違うのか?」
「責任とのバランスはどうなっているのか?」
「本当に今、〇〇社にとって心理的安全性が課題なのか?」と多角的に検討することで、個々人が自分の言葉として持論化していきます。
このプロセスが「言葉の表層的な理解に留まらず、担当するクライアントの本質的な課題や悩みに近づくためにもっと学んでいきたい」というメンバーのチェックアウトコメントを引き出し、一人で読書するだけでは得られない学習意欲の喚起にもつながっています。これは、新人教育やリモート環境下のオンボーディングにも通じるところがあるかもしれません。
ある記事*に「オンボーディングの4つの柱」として、以下の4点が指摘されていました。
1. 企業文化に精通すること
2. 組織での人とのネットワークや相互関係の構築
3. 早期のキャリアサポート
4. 戦略の熟知・理解と方向性の確認
BRRも、仕事のベースとなる知識を身につけることに加えて、本から学んだことを戦略理解に活かす。また仲間との対話を通じて、その方向性に納得することで、次に取るべき行動を自ら考えることができる。そんなポジティブな効果を持ちうる仕組みです。
そしてお気づきの通り、仕組みはそれだけで十分となりうるものではありません。
メンバーの気づきを内省へと導き、時に抽象と具象を行き来しながら、実感の伴う学びに変換していく仕掛けやファシリテーションが、その効果を高めるためには不可欠と言えるでしょう。
このトピックスについても、改めてご紹介させていただきたいと思います。
*参考:新入社員の配属は「内定時」に決めるべき理由、リモート研修の効果向上法|ダイヤモンドオンライン 2021.1.25
>>>For more information: Action For SDGs>Model of organisation worth working for