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Management Development

【Column】部下のミスをなくすために必要なたったひとつのこと

【Column】部下のミスをなくすために必要なたったひとつのこと
Published: September 14, 2022
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2022.09.14

後輩や部下のミスの多さに悩む声を、研修中によく耳にします。 

ある若手を指導する役目の参加者は、こう嘆いていました。 
「理解をしていなければメモも取らないまま聞いていた若手が、指導したことをすっかり忘れてしまっている。」 
「基準を徹底しようとすると、自分らしさにこだわる後輩が不満げな態度をとる。そして結局守らない。」 

マネジメント研修ではこんな声も。 
「自己流で仕事を進めていた部下がミスを犯してしまった。」 
「業務水準がなかなか守られない。」 

こうした尽きることのない指導上の悩み。実は、その悩みの根本的な解決のために、教える側にできることがあるのです。 

この点、インパクトジャパンのCEOを務める戒能は、「指導の順列が大事」と全社員へ常に口酸っぱく伝えています。 

その順列とは、 
世界観(哲学)を伝える→体験してみる→出来る方のやり方をオブザーブする→実践してみる 
です。 

ここで言う世界観とは、仕事の出来栄えから醸し出される雰囲気やプロセス上のこだわりや、その組織ならではの仕事の在り方を指します。この世界観が最初に作られていないと、なぜ業務を求められる水準以上でやる必要があるのかを理解してもらえません。 

以前、私が教えていた時は世界観を伝えずやるべき作業だけを伝えていました。そのため、この作業は何のためにやっているのか?また、もっと改善する余地はないのか?などについては何も考えない部下を育ててしまいました。 

昨年からこの世界観の大切さが見直されました。何かを教える時には先に世界観を伝えてから指導するようにしました。すると、教わる側がゴールイメージを付けられるようになったようです。それにより、基本的なことは手順通りにやりつつ、そこからさらに改善できることを考えるようになったのです。 

やってみて一番重要だと感じたのは、最初の世界観の伝達です。最初に世界観を伝達できたか否かで結果が変わると言っても過言ではないでしょう。やってみた後から世界観を伝えるのでは遅いのです。次いで重要なのは反復です。実践まで行ったら再度世界観の伝達に戻るという反復です。世界観を1回伝えただけでは足りません。何度も言い続けることが大事です。 

こうした経験もあり、私が所属する研修現場を担当する部門では、どの業務に対しても水準を保つ方法として、世界観の共有をいろいろな場面で行っています。 

1つ目は、運用マニュアルとしての「IMPACTGRAM」の作成と、それを基準とした業務の遂行です。「IMPACTGRAM」とは、無印良品のマニュアル「MUJIGRAM」をオマージュして作成したものです。「MUJIGRAM」とは、個人の経験やノウハウに頼り、俗人化していた業務を徹底的に見える化、標準化し、ノウハウを蓄積する仕組みです。去年からこのIMPACTGRAMに世界観を加えました。それにより「ここで求められていることは何か?」を理解してから仕事に着手するようになりました。 

2つ目は、月次の部門会の冒頭における世界観の確認です。一般的に、会議では目的やゴール状態を共有してから始めるかと思います。私たちは、それよりもっと上位にある世界観を共有することで、メンバー間で理解のズレが起こらないように努めています。具体的には、前週の業務で感じたことや研修で気づいたことなどと世界観とを紐付けし、体験談として部門メンバーに伝えあっています。 

3つ目は、研修を運営する際の、運営表への世界観の記載です。インパクトが考えている研修の世界観、スタッフの行動指針などが記載されています。毎回必ず全体打ち合わせの最初にスタッフ全員で確認しています。世界観を理解することで、どんな研修を提供するのかのゴールをイメージすることができます。また、研修の運営が終わった後での振り返りの場でもこの世界観から考える振り返りとなり、次回に向けての改善のポイントを的確に捉えられます。 

組織は、水準を設定し、その水準がプロセスの全段階で満たされていることを確認することで品質管理を行っています。業務水準を整えることで、対外的にはお客様(あるいは社内顧客)に対して品質を保証することにつながるのはもちろんですが、対内的には人を活かす土台を作ることに結び付きます。一見すると、業務水準の徹底はメンバーの個性を殺すかのようでもありますが、それはちがいます。きちんとした土台、土壌があってこそ、その人らしさがやっと花開くことにつながるのです。部下や後輩のミスの多さに悩んでいる方、人材として生かしていくためにも、ぜひ世界観にこだわった指導に取り組んでみてください。 


(Written by Yuki, Delivery Quality Controller, Client Success Department) 
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