2020.11.11
インパクトの創設者であり、現CEOのDavid Williamsによる寄稿文が、UKのthe HR Directorに掲載されました。原文はこちらよりご確認いただけます。以下、抄訳です。
HRリーダーが働く価値のある職場をつくる方法
幸福や充実を感じながら働く従業員が最も生産的であることは周知の事実です。Covid-19によって、社員の働き方に対する考え方や彼らが大切だと思う要素は、より鮮明となりました。信頼され自律的に働くことができる環境や、プライベートを損なわない柔軟な働き方を選べること、また株主や利益よりも社員の安全と福祉を優先する企業で働くこと、などがその例として挙げられます。
危機的な状況下であっても、リーダーシップチームは全ての社員の成長を支えるインクルーシブな文化を提供し、働きがいのある組織を目指すことが大切です。これを怠ると、有能な人材を惹きつけ、また維持し続けるというタレントの争奪戦に負けてしまうことにつながります。
未だかつて、有能な人材が組織の成功や失敗にこれほど大きな影響力を持ったことはありません。
しかし、有益なチームワークを発揮するため、ダイナミックで双方向的かつ互恵的な働きかけを創り出す重要性は、十分に認識されているでしょうか。
昨今、成功している職場においては、一方的な指揮統制スタイルのアプローチはもはや存在していません。それは時代遅れなモデルですが、それでも多くの組織は意図的にあるいは無自覚にこのスタイルにしがみついているのではないでしょうか。これは社員とビジネスの変化や成長を停滞させてしまうものです。
これはまたタレント獲得にも当てはまります。多くの組織が平等と多様性を掲げ、真の意味でのインクルーシブな職場づくりを阻む障害への対策を講じているにもかかわらず、最終的に目指す姿にはまだ遠いと感じていることも多いのではないでしょうか。
そこで、社員が誇りを持って働ける、魅力的でダイナミックな組織を構築するため、HRリーダーが注力すべき点として、以下の7項目を提案します。
【価値観を尊重する文化の醸成】よい職場には「あらゆる声に耳を傾け、発言を促し、組織によい影響を与える空間づくりにコミットするリーダーシップ」が必要です。最も効果的に成功している組織は、似た価値観の人を探すのではなく、今までにない新しい価値を付加できる人材を探しています。
【未来を見据えた人材育成】人材育成と事業成長は同時に進むものです。組織に属する一人ひとりが、自分自身を率直に表現し、充実感を持ちながら、仕事における目標を追求していくべきです。
【自律性の推奨】よいHRリーダーは、他のシニアリーダーやマネージャーに対して、彼らがメンバーの理解と行動を促し、メンバーがぶつかる障壁を取り除き、前向きな変化と成長の継続的なプロセスに乗り出すことができる環境を整え、サポートする必要があります。
【組織のフィードバック文化の促進】フィードバックは本来自然で継続的なプロセスです。よいHRリーダーは、継続的なフィードバックのプロセスから得られるメリットを皆に理解してもらい、その実施を組織的にリードしていく必要があります。
【コラボレーション】部門や階層、また場所を超えたダイナミックなプロジェクトチームを作ることで、私たちは障壁を壊し、それぞれの能力を発揮することができます。よいHRリーダーはこのことを認識し、コラボレーションを活性化するための戦略的な行動をとります。
【地域社会への還元】 従業員が「自分のいる組織は、働く価値のある組織である」と実感できる機会を作ることが重要です。効果的なHRリーダーは常に、社内外に対し、自分たちが役に立てる機会を探り、またその機会を創出することに積極的です。
【他者への働きかけ】働く価値のある組織は、自分たちが行っている前向きな活動を明らかにし、実践のヒントを発信することができるはずです。そうすることで、自らを組織モデルとして示すことができ、優秀な人材を自分たちのビジネスへと惹きつける好循環を作り出せるでしょう。
よいHRリーダーは「すべての組織は、他のグループの人々のために働く人間の集まりである」ということを理解しています。そのため共に働く社員の健康や情熱、創造性や成長を第一に考えます。
この人間第一のアプローチが組織の成功をもたらし、また社員が所属の喜びを感じる豊かな企業文化や彼らのレジリエンスを育み、真に「働く価値のある職場」をつくることに寄与すると考えます。
ORIGINAL ARTICLE BY: David Williams, CEO & Founder - Impact