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Management Development

【Column】100日間が分かれ道。新任マネージャーを側方支援するには

【Column】100日間が分かれ道。新任マネージャーを側方支援するには
Published: August 16, 2022
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2022.08.17

First Hundred Days. 

アメリカの大統領は就任から100日間という、国民が期待のまなざしで見ている期間に、何らかの成果を出す事を求められるといいます。 

同様にして、マネジャーの場合も、新しい任務に就いて最初の数カ月に取った行動で、成功するか失敗するかがほぼ決まると言われています(1)。 

その際、マネジャーに必要になってくるのは、着任した組織の状況や自分の立ち位置をはじめとする、職場のメタ認知・分析です。何から手を付け、どんな順番で進めていくかなどを意思決定していく基礎となるからです。しかし、プレイングマネジャーが多い今日において、そのすべてを自力でやれというのは酷な話であり、支援が必要になってくるでしょう。よって、新任マネジャーの成否は、最初の数か月で行われる支援に大きな影響を受けると考えられます。 

とはいえ、すべての企業において十分な支援がなされているかというと、現実はそうではないようです。私どもに寄せられるお声では、よくある必要最低限のインプットを与えた後は放任というケースと、その後の支援の枠組みまでを用意しているケースと二分されます。そして、前者の方が多いようです。 

では、どんな支援が必要なのでしょう? 

人事としてマネジャーにできる支援には次のようなものが考えられます。
1) 役割期待の明確化 
2) チャレンジングな仕事のアサインによる能力開発 
3) マネジャーがお互いに学び合える環境の整備 


1)、2)については実務の中においてなされるものとしてイメージがつくかと思いますが、3)はどのような支援の在り方になるのでしょうか。 

この点、定期的に集まって対話するという、学び合える、学び続けられるという枠組み・仕組みが重要になってきます。一般的なものとしては、カナダのマギル大学のヘンリー・ミンツバーグ教授が開発したプログラムCoaching Ourselvesがあります。日本では同じものをJ.Feel社がリフレクションラウンドテーブル®と銘打って展開しています。 

こうした支援の効果を高めるためには、お察しの通り、対話の質が高いことがポイントとなります。 

インパクトでは、チームで行う課題解決アクティビティやセッションなどを用いて、共通言語と共有体験の創出によって対話の質を引き上げています。特に開始初期において、「ここがどういう場なのか、安全な学びの場なのか」という場の合意ができるまでの、対話のハードルを下げる効果が高いからです。誰しも集まった当初は頭では安全だと分かっていても、肌感覚ではわかっていないものですが、共通言語と共有体験によって、その期間を圧倒的に短縮する効果が得られるのです。 

具体的には、Re:Shapeというマネジメントの要素を楽しみながら理解するオンラインのアクティビティがあります。また、CIDという自分の置かれている状況を客観視して他者の視点を取り入れるセッションなどもあります。こうしたものによってマネジャーの職場のメタ認知を高めていきます。そして、組織の状況や自分の立ち位置によって異なってくる、最初の100日の取り組みを具体化していくことへと結びつけるのです。 

こうしたアクティビティやセッションに参加したマネジャーからは「同時期にマネジャーになった方たちのマネジャーとしてのこだわりや想いを聞くことができ、大変勉強になった」「マネジャーの職責や、自分に与えられた役割を俯瞰的に考えることができた。またHOWの部分について多くの気づきがあった」「マネジャーとしての自分の出来についてずっと悩んでいたが、同期の皆さんとの対話を通じて自身のマネジャーとしての立ち位置を確認でき、方向性を明確にできた」などの声が聞かれています。 

なお、余談ではありますが、こうした場の創出という支援により、新任マネジャーが抱きがちな不安の解消や相互理解の促進による組織のサイロ化の予防・改善という、副次的効果も得ることができます。 

もちろん、マネジメント概論や管理職になるとは転職のようなものだというマインドセットの切り替え、時間の使い方を変えるといった従来通りの要素も必要です。それらを前提としながらも、着任以来どう進捗しているのか、どんな壁にぶつかっているのかといったことについて、新任マネジャー同士で本音の対話を通じて学び合える環境を整えることが何よりの支援になるのです。 

(1) マイケル・ワトキンス、伊豆原弓(訳) (2014)『ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー』翔泳社、p.xi 


(Written by Hosshan, Manager / Facilitator, Client Success Department) 
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