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Sustainable Innovation

【プロボノ報告】外国ルーツの子どもたちに「強み発見ワークショップ」をプロボノで提供

【プロボノ報告】外国ルーツの子どもたちに「強み発見ワークショップ」をプロボノで提供
Published: May 25, 2022
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2022.05.25

5月14日(土)に、認定NPO法人カタリバが支援する外国ルーツの高校生を対象に、アセスメントツールInsights®Discoveryを使ったコミュニケーション研修をプロボノにて提供しました。1)若者支援団体への寄付、2)団体から支援を受けている生徒への研修のプロボノ提供という当社の取り組み、リーダーシップ・エコシステム®に基づく活動です。(プレスリリース)

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■パートナー詳細 
「どんな環境に生まれ育っても、未来をつくり出す力を育める社会」を目指し、10代の教育支援活動を行うカタリバが運営する「Rootsプロジェクト(外国ルーツの高校生支援)」。現在の日本では、日本語指導が必要な高校生の数は年々増加しているにもかかわらず、義務教育課程の小中学生に比べて支援が行き届きにくいという課題が存在します。このプロジェクトは、そんな高校生が自らの国籍や生い立ちを強みとして認識し、彼らと関わる人々とともに「違い」から学び合う学校連携プログラムの提供や支援を行っています。 

今回のプロボノ研修は、高校を卒業してそれぞれの進路に進む生徒たちを対象に、自分と他者の認知特性の違いを理解し、自己を受容しながら周囲とのコミュニケーションを良好に図っていけるきっかけ作りを目的に実施しました。 

(カタリバRoots プロジェクトHP:https://www.katariba.or.jp/activity/project/multicultural/) 


■用いたソリューションツールと当日の流れについて
使用したツールは、ユングのタイプ論をベースに開発された、人間の思考・行動特性を分析するアセスメントツールInsights®Discoveryです。日本語を習得中の外国ルーツの生徒たちが参加しやすいよう、やさしい日本語を用い、文章でのインプットよりもスライドなど視覚的に楽しめる要素も多く含めてデザインしました。 

【ツール詳細】 
https://www.impactinternational.com/jp/solution-support-tools/insightsr-discovery

今回のプロボノ研修は、去年11月に引き続き2回目の実施でした。前回の参加者が特別ゲストとして参加してくれることになり、今は大学生となった彼女が、後輩たちに向けて自分の経験をシェアするトークセッションを追加しました。進路に悩み高校の卒業を1年延長し、学費や家計を支えるために勉強の傍らアルバイトに励みました。見事大学への合格を手にしましたが、進学前の彼女は「勉強についていけるか」「生活も含めがんばり続けることができるか」たくさんの不安を抱えていました。しかし、「今は大学でやりたいことが沢山あって、とても忙しいけど充実しています。いつかは留学したいとも思っているんです!」と語ってくれた彼女が眩しく感じられました。その笑顔は、間違いなく後輩たちにとって勇気と希望になったと感じました。

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■緊張→5時間後には大きな笑顔へ!
冒頭ではカタリバのご担当者から「みんな、勇気を出してよく来てくれました。知らないところに入ってくのって怖いよね。その気持ちがわかるからこそ、駅で会えたときは感動しました」との挨拶があったほど、生徒たちは緊張の面持ちでした。が、運営スタッフが時に冗談を飛ばしながら参加型のワークショップが進むにつれ打ち解けた様子で、休憩時間には自分の将来の夢についてスタッフに話す場面も見受けられました。また、自身の気持ちや考えを聞いてもらう受容の機会が生徒たちにとって大きな需要だと伺い、、最後にはImpact Caféと称して生徒とインパクトスタッフが一対一でお互いの聞きたいことを通して対等に話すセッションを設けました。日本で働くことや職業についての対話が中心となる中で、世代や文化を越えた職業観や人生観の交流が行われ、5時間のワークショップの最後には、「来てよかった!」「もう全然緊張していません!」と笑顔がはじけました。 

参加後の感想では、以下のようなコメントが出ました。 

  • 「いつも失敗したくないと思っているけど、今日は大人の人と話して、たくさん失敗したという話を聞いて、ああ私も失敗してもがんばろうって勇気をもらいました」(バングラデシュルーツの生徒) 
  • 「今までは、学校の先生に強みを聞かれてもなにも答えられなかった。今日のワークショップに出て、自分の強みがわかったので、これからは書けるのがうれしい。自信とパワーをもらいました」(中国ルーツの生徒) 
  • 「やりたくないって思ってたけど、やったら楽しいと思った。どんな事でも経験して、ほかの人とも話してみたいって思えた」(ネパールルーツの生徒) 

カタリバスタッフの方からは、御礼と共に「知らず知らずのうちに否定の言葉をシャワーのように浴びてしまいがちな生徒たちにとって、肯定の言葉ももらいつつ、現実的な話もしつつ、客観と主観を行き来することがとても良いリフレクションの機会となったようです」とコメントを頂きました。 
関係者一同、非常にうれしく感じるのと同時に、子どもの貧困という社会課題、見落とされがちな外国ルーツの子どもたちの現実を重く受け止める機会となりました。 

スタッフの方がおっしゃった「今日この場に来ること自体が外国ルーツの生徒たちにとっては大きなチャレンジなんです」というお言葉。自分たちが当たり前だと思って享受していることが当たり前ではない人が沢山いること、そういった多様な背景を理解することの重要性を感じるのと同時に、まず自分がひとりの人間として視野を広げることの必要性を強く感じました。 

(Written by Mayu, Sustainable Business Enabler) 


■For more information>>>リーダーシップ・エコシステム®

■前回の記事:【プロボノ報告】外国ルーツの高校生にコミュニケーション能力向上の多言語ワークショップをプロボノ提供 | Impact International 
 

プロボノ研修実績レポート:第1回第2回 、第3回第4回第5回
寄付レポート:第1回第2回