About
商業空間・イベント空間・展示空間などの企画・設計・施工を担うディスプレイデザイン日本最大手の乃村工藝社。そのグループの内、3社が統合し、2022年に誕生した株式会社ノムラアークスだ。統合の意図は、それぞれの事業領域で価値提供を行ってきたグループ各社の機能の再編・統合にある。さらに専門性の向上による本社との差別化を図り、グループとしての相乗効果を発揮することで事業領域を拡大させ、持続可能な成長の実現を目指したものである。
(Objectiveに続く)
有形資産をほとんど持たないノムラアークスにとって、すべては人にかかっている。
しかし、その「人」も長年取引してきた顧客との仕事や本社から請け負う仕事による売上比率が高く、どうしても受け身の姿勢になってしまう構造があった。そこに「組織」の課題も加わる。PMI特有の旧組織間の壁だ。雰囲気こそ悪くないものの、業務プロセスや仕事のスタイルの違いなどから、コミュニケーションがはかどらない。
こうした状況下で、現状を変えていく鍵とされたのが、マネジメントの強化だった。
(Solutionに続く)
プログラムは、策定したばかりのValues「ARCHS」を発信するフェーズから始まる。まずは、定例会などの既存の場や仕組みを活用して行われた。
続くフェーズでは、「ARCHS」の理解に焦点が当てられた。このフェーズは2段階に分けられる。全社員を対象とした「知識的理解」と、管理職を対象とした「感覚的理解」である。「知識的理解」を目的とした場では、改めての「ARCHS」をめぐる対話を行った。管理職を対象とした「感覚的理解」の場は、独自の経験学習 (Project Based Learning) を中心に組み立てられた。
最後のフェーズ「行動としての定着化」では、中間レビューとしてのMBO面談から始まった。次いで行われたのが、Valuesに沿った行動を称賛し合うチームワークアプリ「RECOG(レコグ)」の導入だった。その上で行われたのが、管理職を対象にした「マネジメントの体感的理解」だ。ここでもプロジェクトを用いつつ、一般化された理論を具体の体験として学んだ。ほぼ一年に亘るプログラムは「ARCHS」を基にした評価面談で締めくくられた。
(Resultsに続く)